石見神楽
島根県石見地域のリズミカルで勇壮な伝統芸能の「石見神楽」(日本遺産#79)。その中でも最も人気の大蛇(おろち)の演目です。須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲の国・斐の川で、 娘を大蛇に食べられてしまうという老夫婦を助けて、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する物語です。大蛇から出てきた剣は、”草薙の剣(くさなぎのつるぎ)”として三種の神器の一つとし、愛知県の熱田神宮に祀られています。この演目は、どの地区でも一番人気で、必ず上演されるとともに、子供のころからワクワクしてみていたものです。
その他、道返し、八幡、鍾馗(しょうき)、キツネの化身の黒塚、めでたい神楽の恵比寿、益田出身・没の柿本人麻呂や島根県にゆかりの弁慶の勧進帳五条の橋なども上演されます。同じ演目でも、社中によって違ってきますので、その見比べも楽しみかと。石見に来られた時は、必見です。春から秋にかけては、1ヶ月に数回どこかで上演されています。無料の場合や有料もあります。演者には子供たちや学生が、伝統芸能を守ろうということで、一生懸命やっている姿も見られます。応援していきましょう。
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動画一覧
大蛇(おろち)
2024年10月4日水分神社内で夜遅く行われた神楽。目は光、口から花火を吹いたり、煙が経ち込めたりし、神社の舞台からはみ出したり下りたりして、ダイナミックナで、夜ならではの演目に。子供たちが心躍って踊りだすなど、昔の神楽は皆こうだったという雰囲気の神楽をどうぞ。
舞台から出た大蛇が子供を抱くシーンも。子供の健康を祈るものか
2024年8月15日に行われた岡見神遊座の上演した大蛇の一連の動画です。その1からその9で、大蛇登場から大蛇退治の場面です。
須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲の国・斐の川にさしかかると、 娘を大蛇に食べられてしまうという老夫婦に出会います。 そこで命は老夫婦に毒酒を作らせ、 これを大蛇が飲んで酔った所を退治し、 稲田姫と結ばれました。 この時、 大蛇の尾から出た剣は、 天の村雲の剣(あめのむらくものつるぎ)《のちの草薙の剣(くさなぎのつるぎ)》として三種の神器の一つとし、熱田神宮に祀られています。(あらすじ 一般社団法人浜田市観光協会石見神楽ホームページより)
道がえし
2024年8月15日に行われた岡見神遊座の上演した道返し(ちがえし)の動画です。その1からその5です。最後に退治されるのではなく謝って許される珍しい演目です。常陸の国 鹿島神宮(茨城県鹿島町)の御祭神である武甕槌命の話です。
道がえしは、常陸の国 鹿島神宮(茨城県鹿島町)の御祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)が世界各地を荒し廻った大悪鬼を激闘の末降参させます。 命乞いをした大悪鬼は許され、 高千穂で人ではなく米を食べて生きていくように武甕槌命に命じられます。石見神楽では珍しく、鬼が降参し許される形で終わります。鬼を退治せず「道」の途中から「返す」ためこの演目の名がつけられました。(あらすじ 一般社団法人浜田市観光協会石見神楽ホームページより)
黒塚(化けキツネ)
8月24日の土曜夜市で演じられた演題「黒塚」で、あまり見られない化けキツネ退治の話です。ところ狭しとキツネが動き回るダイナミックな神楽です。
熊野、 那智山の東光坊の高僧、 阿闍梨祐慶大法印が剛力と修行の旅の途中、村人から九尾の悪狐の話を聞きつけ退治しようとしたところ、 女に化けた狐に化かされ、剛力は食われ法印は命からがら逃げました。 その話を聞いた弓の名人、 三浦之介、 上総之介により悪狐は退治されます。(あらすじ 一般社団法人浜田市観光協会石見神楽ホームページより)
恵比寿(おめでたい神楽)
2024年8月24日益田駅周辺での第2回土曜夜市で上演。鬼などを神様が退治する演目が多い中、いつも上演されますが、恵比寿様が鯛を釣って、五穀豊穣をお祝いするめでたい神楽です。
大国主命の第一の御子で美保神社の御祭神とされる八重事代主命(やえことしろぬしのみこと)である、恵比須様を題材とした演目。 旅人が出雲大社巡礼の途中、 美保神社に参詣し、宮人に神社のいわれを聞いていたところ、目の前に恵比須が現れ、 鯛を釣り上げ寿福をあらわすという、幻想的かつ大変おめでたい神楽です。(あらすじ 一般社団法人浜田市観光協会石見神楽ホームページより)
人麿伝
2024年9月15日ひとまろフェスタで高津川河畔のステージで開催された石見神楽「人麿伝」で、益田市 出身であり没した万葉集の歌聖柿本人麻呂 を題材にした神楽です。人麻呂没後1300年 を記念して創作された珍しい石見神楽で、益田で上演されます。人麻呂の疫病退治 ・厄除けとして、市中に広がる疫病の鬼を、天皇から命を受け退治するという物語。
新作「勧進帳五条の橋」
牛若丸と弁慶の五条の橋の戦いを石見神楽にした新作。2024年10月4日水分神社で奉納。拍子や踊りは、石見神楽と同じで、牛若丸の躍動感・動きの激しさも。
弁慶の出身地の有力な一つが島根県松江市ということで、島根に縁がある弁慶を題材に。
石見神楽は、各自治会単位で複数社中を作って演じています。学生など若い人も参加して伝統芸能を保存しています。伝統を保持するのはとても大変なようで、これが今後も維持できればいいと思っています。